新型コロナが猛威を振るう状況で旅と言えるような旅に出たのはいつだろうか。せめて気持ちだけでも旅をしたくなり、この本を手にとった。どうせ読むなら、世界のどこかに行って、”珍しいものを見てきました、美味しいものを食べてきました”、といった楽しむだけの旅ではなく、自分では決して経験できない旅をしてみたいと思い”国境なき医師団”に現地取材するというテーマを選んだのだけど、まさにこの本によって自分の知らない世界に旅をした。
この本で一番印象に残った箇所は、著者がこの取材の後で、ニュースで”空爆により医師2人を含む14人が死亡”という記事を目にした時、「もはや、私にとってこのニュースはただの文字の羅列ではなく、取材を通じて、顔も名前も仕草も知っている医師団の人々そのものなのだ。」という感想を抱く場面だった。もちろんニュースで亡くなった医師はこの取材で直接あった人ではない、しかし、医師団の活動に実際に触れることで、ニュースの中の医師の死は他人事でなくなる。
僕らは本を読むことで多くのことを知ることができる。貧困、差別、病気に苦しむ人のニュースを見た時、「大変そうだな、可哀相だな」と思うこともある。しかし、実際の自分の経験とリンクしない事は想像ができない。口で大変だなと言いながら、傍観者であり、評論家の目線で出来事を眺めるだけである。
苦しむ人が自分の隣人、知人、友人となった時、本当の痛みを感じることができるのではないかと思う。
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くらっきー
おまわりさんコイツです!
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