映画レビュー③すれ違いのダイアリーズ

2020年4月11日

心に残る映画はラストシーンで決まると言ってもいいと思います。幸せな気分になれる映画、余韻の残る映画、切なさでいっぱいになる映画。この映画を見終わった後に残るのは、まるで風に包まれたような爽快感です。

この映画はAmazonPrimeなどの動画配信サイトで見ることができるのでネタバレは最小限にします。田舎の水上学校を舞台にした優しいラブストーリーです。

電気も水道もない携帯の電波も届かない、山奥のダム湖にある水上学校に赴任してきた新任教師のソーン。

チェンマイからバスとボートを乗り継いだ先に水上学校はあります。

ソーンには教師としての経験はなく、子供たちともうまくやっていけません。誰もいない環境で孤独に苦しみ、自信を失うソーン。ある日、教室に残された日記を発見します。

日記はソーンの前任者で昨年この水上学校を担当していた教師エーンのものでした。

エーンもまたここでの生活で孤独を抱えながら、日記を記していました。

エーンは子供たちに真摯に向き合い、やがて生徒からも母親のように慕われるようになります。

エーンの日記を読みながら、自分と同じように孤独を抱え、同じように悩み、そして生徒への愛情を注ぐエーンにほのかな恋心を寄せていきます。

ソーンはエーンの日記から多くのことを学び、やがて生徒たちとの間にも信頼関係が芽生え、教師として成長していきます。

しかし、教師としての経験が不足していたソーンは生徒たちの成績を上げることができず、1年でこの学校を去ることになります。

一方で水上学校での教育に限界を感じ、婚約者の勧めで都会の学校へ転任していたエーンは新しい学校の教育方針になじめず、水上学校へ戻ることを決意します。

ソーンと入れ違いにエーンは水上学校へ戻ってきます。そこで去年忘れた自分の日記を発見し、その中にソーンによって書き加えられた彼の日記を見つけます。そして彼もまた情熱のすべてをここでの教育に注ぎ込んだことを知ります。

エーンもまたソーンの日記から多くのことを学ぶことになります。そしてまだ見ぬソーンに共感以上のものを感じていきます。

お互いに共感し、まだ見ぬ相手にほのかな恋心を抱く2人。彼らが出会える日はやってくるのでしょうか。

新任教師が生徒との関係に悩みやがて心を通わせていくというストーリーは、よくある田舎の学園もののテンプレートで驚く部分はないかもしれません。しかし会ったこともない2人が日記を通じて交流していくという要素が加わり、新鮮で感動的な物語になっています。

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