映画レビュー①Oneday~1日だけの恋人
最近、タイ人風俗嬢のお姉ちゃんから日本で上映されていないタイ映画を見ることができるサイトを教えてもらったので、お気に入りの映画レビューを書こうと思います。基本、ネタバレ上等でいきますので、気になる人は読まないでください。といっても日本で公開されることは無いだろうなという映画も多々ありますが。。。レビューの前にタイ映画を楽しむ為のコツを3つ。
①ガバガバな設定を気にしない(ありえないだろ!は禁句です)
②ベタなストーリーを受け入れる(ラストシーンの予想をしてはいけません)
③古典的なギャグでも笑う(ドリフ好きならたまりません)
要するに”細かいことは気にするな!”です。タイ映画にはダメな点もいっぱいありますが、日本映画にはない魅力もいっぱいあります。少しでもタイ映画のいいところを伝えられたらと思います。
というわけで最初のレビューは”フェーンデー””แฟนเดย์..แฟนกันแค่วันเดียว”
この映画は日本の映画際でも上映され”Oneday ~1日だけの恋人”という邦題になっています。ただ残念かことにDVD化はされておらず、日本語字幕で見ることはできません。北海道を舞台にした1日だけのラブストーリーはタイ人の北海道旅行のブームを加速させる大ヒットになりました。
オフィスのパソコン担当を務めるさ冴えないオタクのデーンチャイ。社内では存在感がなく名前も覚えてもらえません。そのデーンのあこがれの女性がヌイ。ヌイは会社の社長と不倫の関係を続けていて周りも見て見ぬ振りをしています。ヌイとデーンは仕事以外の接点はなくデーンが一方的に憧れるだけの関係です。


この会社の社員旅行で北海道に行くことになります。
滞在するホテルはキロロリゾート!

北海道でも周りの目を気にせずイチャつくヌイと社長。デーンは旅行中も2人の行動を観察しています。そんな中、社長の家族が旅行に合流することになります。イチャイチャモードから突然、社長の家族団らんを見せつけられることになるヌイ。そして社長の奥さんが社員を前に衝撃の発表をします。
「子供ができたの!」
社長が奥さんと別れ、一緒になってくれることを期待していたヌイ。この発表ですべての期待が打ち砕かれます。
失意のどん底に落ちたヌイは翌日。社員旅行には合流せず1人ホテルに残りスキー場で自殺を試みます。しかし、それをずっと隠れて見ていたデーンがすんでのところで雪の中で倒れていたヌイを発見します。
病院で目を覚ますヌイ。しかし目が覚めたヌイは最近の記憶を失っています。
たどたどしい英語でデーンに彼女の症状の説明をする医者。
「彼女は一時的に記憶を失っているけれど、一晩寝れば明日の朝には記憶はすっかり戻っているよ。ただ、記憶を失っていた間のこと、つまり今日1日の記憶だけはその時に忘れてしまうんだけどね。」
なんたる都合のいい記憶喪失。。。。いや、まあそれを言ってしまうとこの映画が成立しないのでここは優しくスルーです
目覚めたヌイはデーンを質問攻めにします。なんで北海道いるのか?なぜ2人でだけなのか?
しかし自分がストーカーしていたことなど言えるわけもなく
「僕は君の恋人なんだ。」と告げるデーン。
「はぁぁぁぁぁぁぁ???????」

ヌイの反応はもうボロクソ、そりゃこんな冴えないオタクが自分の彼氏などと言われても信じるわけにはいきません。しかし、せっかく北海道に来たのだから、嫌々ながらもデーンとの北海道観光に付き合うことにします。
やがて徐々に打ち解ける2人。。。

って、おい!いくらなんでも打ち解けるの早くないか!と突っ込みをいれたくなるのですが、この映画は”1日だけの恋人”そこに時間を割くわけにはいかないのは理解してあげましょう。





小樽、登別、函館、そして札幌の雪まつり。道中でいくつかのトラブルに会いながらも、夜中に札幌の雪祭りを楽しむあたりでは完全に恋人同士です。2人ではしゃぎながら写真や動画を撮影します。
ここも1日で小樽、登別、函館、札幌が観光できるわけないだろ!と突っ込んではいかません。スルーです。
そして大満足でホテルに帰る2人。部屋でいい雰囲気になり、キスを交わした後、シャツのボタンをはずし始めるヌイ。はい、ここでオタクのデーン君はヘタレます。自分は彼女の恋人ではないことを白状し、そしてヌイは大激怒。デーンの荷物を窓の外に投げ捨て、デーンを追い出します。
ヌイは自分の携帯の過去の履歴や写真を調べ、自分の恋人は会社の社長であり、不倫の関係にあることを知りショックを受けます。
荷物を取りに外に出たデーンの前にヌイが現れます。
もう一度謝るデーン。しかしヌイの口から出た言葉は
「あなたのことが好きなの」
そしてデーンにもう一度キスし、
「これはデーンへの本当のキス」
長く幸せな1日が終わりを迎えます。
今日の記憶を無くしたくない、泣きじゃくりながら携帯に動画を残すヌイ。
「私が好きなのはこの人。この動画を見て思い出して!絶対に忘れない」

そしてヌイは疲れて眠りに落ちます。
翌朝、目を覚ますと昨日の記憶はすっかりなくなっています。ヌイは社長との結婚が叶わない失意の中、タイに戻ります。
タイに戻ると、パソコン部門は急にデーンが辞めたとの事で忙くなっていました。同僚とタイ旅行の写真を見せ合うヌイ。その中に1つだけ撮影した記憶の無い動画がありました。再生すると、行った記憶の無い札幌雪祭りで子供のようにはしゃぐ自分。でも撮影者が誰かはわからない。なぜか自然にこぼれる涙。そこに社長がやってきてヌイに復縁をせまります。しかしヌイは社長を置いて去っていきます。
場面が変わってあの日。ヌイが眠りに落ちた後、デーンはヌイの携帯の動画を消していきます。そして最後の雪祭りの動画のところで手が止まります。
「明日、記憶が戻った後、君を困らせるといけないから写真は全部消すね。でも君の笑顔だけはどうしても消せなかった。ごめん。」
はしゃぐヌイの画像が流れる中、映画はエンドロールへと移ります。

辻褄の合わないところは山ほどありますし、はっきり言ってストーリー展開も雑です。それでもやはり美しい映画だと思います。デーンとヌイは運命の人でもなければ固く結びついたパートナーでもない、ただ1日だけの恋人。この出来事はヌイの記憶には残りません。翌日消えてしまう雪のように本当に小さな出来事。だから余計に美しく感じるのかもしれません。
強く、強く、日本語字幕のDVD化を期待します。
ディスカッション
コメント一覧
良い映画の紹介をサンクス。とても素敵な映画だね、思い出が蘇ったよ。
大阪と札幌で1回づつ上映してるから日本語字幕版は存在するはずなんだけど、なんとかこれをみんなに見て欲しい。ワイの文章力じゃ良さが伝わらない。